公営競技ではレース直前、ファンの予想に直結する重要な直前情報を公開します。競馬の「パドック&返し馬」、競艇の「展示航走」、競輪の「顔見せ」などが主な直前情報と言えますが、中でもオートレースの「試走&試走タイム」は、他の公営競技にも増して重要な直前情報と言っていいでしょう。
それではオートレースの試走について、また試走タイムと予想との関連について解説していきます。
試走とは
オートレースでは本番直前、ファンの目の前で走路(1周500m)を3周する「試走」を行います。選手は試走の直前まで、ロッカーと呼ばれる作業所で入念にマシーンの調整を行っています。
エンジンの各パーツを点検・調整し、ベストのセッティングを模索し、走路状況にマッチしたタイヤを選びます。その調整の結果が、直前の試走に表れるのです。
試走の動きの良し悪しは、予想に直結する最重要の直前情報となります。ちなみに試走では、コーナー(第2、第4コーナーに注目!)の立ち上がりの力強さと、直線(バックとホーム)の伸びをチェックするよう心がけましょう。
試走を真剣に見る習慣をつければ、少しずつ、出走8車の仕上がりの良し悪し、比較が見えてくるようになります。
試走タイムとは
試走が終わると、主催者から試走タイムが発表されます。競艇の展示タイムが参考程度なのに対し、オートレースの試走タイムは予想に不可欠な重要情報です。
選手は試走のラスト3周目を全力疾走します。その3周目(500m)の走破タイムを5で割った時計(3周目の100mの平均タイム)が試走タイムになります。
注意が必要なのは1号車で、前に目標がない分、試走タイムが出にくいため、発表タイムから0・02ほど割り引くことが必要です。つまり、1号車の試走が3・38と発表されたら、3・36くらいの感覚で見ておいた方がいいでしょう。
試走タイムと予想
オートレースでは、まず単純に選手8人の試走タイムを比較して、簡単な予想を組み立てます。仮に、1号車から8号車の試走タイムを、①3・42(ハンデ0)②3・41(ハンデ0)③3・39(ハンデ10)④3・35(ハンデ10)⑤3・35(ハンデ20)⑥3・33(ハンデ20)⑦3・34(ハンデ30)⑧3・29(ハンデ40)とします。
ハンデ10mは0・01秒差と考えると、走破タイムは①3・40(1号車の割引も含む)②3・41③3・40④3・36⑤3・37⑥3・35⑦3・37⑧3・33と推定され、1着は8号車、2着は6号車、3着は4号車と予想できます。
ただレースは生き物で、単純に時計の比較だけで決まるものではありません。天候や走路状況、ハンデ位置、スタート力、選手の技量、コース取り、雨の巧拙など、実に様々な要素が絡み合い、結果は変動していきます。
だからオートレースの予想は面白いのです。とはいえ、試走の動きと試走タイムが予想の原点であることには変わりありません。他の公営競技とは重要度が違う、オートレースの試走&試走タイムから目が離せません。