オートレースの魅力の一つに、他の公営競技にはない「ハンデ戦」があります。競馬で競走馬が背負う斤量のハンデと違い、オートレースのハンデ戦はスタート位置が異なるのです。これは横一線でスタートする競馬、ボートレース、競輪との顕著な違いで、オートレースの面白さの原点でもあります。それではオートレースのハンデについて解説していきます。
ハンデとは
オートレースでは10m刻みにハンデ位置が設定されています。一番前のスタートラインからスタートを切るのは、ハンデ0の選手(オート用語でゼロハン)です。このゼロハンの選手を基準に、選手の時計や実力を推計して、10、20、30…とハンデを付けていくのです。現在のオートレースの最大ハンデは110mですが、過去には、1965年の日本選手権で広瀬登喜夫選手(引退)が340mのハンデ位置から優勝した記録が残っています。ちなみに広瀬選手は森且行選手の師匠でした。現在のハンデは0から50mくらいが一般的です。
ハンデ位置の決め方
オートレースはS、A、B級の3つのランクに分かれています。ハンデを決める場合、上位ランクの選手は下位ランクの選手より後ろ、または同じハンデなら外側に置くことが原則です。また同ランクの選手同士の場合は、ランク順位でなく、直近の成績などを考慮してハンデを付けていきます。このハンデは理屈上、横一線でゴールすることを念頭に決められますが、実際にそうなることはまずありません。とはいえ、選手の力差を考慮せず、横一線にスタートさせると、実力下位の選手は全く勝負になりません。オートレースでは選手の力差を埋め、スリリングなレースを提供するためハンデを付けるのです。ちなみに、選手の実力が拮抗している場合は、横一線のオープンレースで行われます。
ハンデと車券作戦
オートレースの予想の基本は、「ハンデ位置」と「試走タイム」の分析です。一般的に10mのハンデは0・01秒(100m)と計算します。例えば、ハンデ10mのA選手が試走3・37、ハンデ30mのB選手が試走3・34と仮定すると、B選手の走破タイムは20mのハンデ分を差し引いても3・36となり、A選手(3・37)より先にゴールすると推定できます。ただ、これはあくまで数字上の理屈で、スタートの良し悪しやレース展開で着順は大きく入れ替わります。ハンデと試走の分析は、あくまで予想の第一段階と考えて下さい。いずれにしても、オートレースには「ハンデ」があるからこそ、予想にも深みが増し、レースもたまらなく面白いのです。
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